【アニメ感想】レクリエイターズをネタバレ解説！アニメ製作者の熱意と苦悩が感じられる良作
私的「2017年もっとも面白かったアニメ大賞No.1」受賞しました。オリジナルアニメ「レクリエイターズ」、めっちゃ面白かったです。
ブラックラグーンの作者で知られる広江礼威が原作・キャラクター原案で前から気になっていたのですが、最近ようやっと全話視聴できました。
Re：CREATORSはアニメやゲーム、ラノベなど二次元世界から三次元の現世にキャラクターたちが実在化しちゃったっていう設定のアニメなんですが、魔術師から魔法少女、ロボット、ミステリー・ホラーやバトルものの能力者、FPS系までさまざまな種類のキャラクターが登場します。
電撃ファイティングクライマックスの世界みたいな感じですね。
2クール分あってなかなか体力いりそうなので積みアニメ化してたのですが、見始めると続きが気になって最後まで一気観してしまいました。
アニメを始め、作品を作る人たちの熱意や情熱、苦悩、嫉妬など作品やそこに登場するキャラクターたちへの思いが詰まった良作でした。
アニメ内の二次元キャラクターたちは「（作品の）創造主にひとこと苦情をいいたい！」と意気込んだり、逆に「俺には関係ない」とばかりに現実を楽しんだりと癖の強い子が多く、「ああ、こういうキャラならこんなこと言いそう」て感じで楽しめましたよ。
という訳で今回はアニメ【Re：CREATORS】の感想とご紹介を。
多分にネタバレを含みますのでお好きな方のみお楽しみくださいませー。
【目次】
レクリエイターズのネタバレ感想
あらすじ
人は、その手で多くの物語を創造してきた。
喜び、悲しみ、怒り、感動。
物語は人々の感情を揺れ動かし、魅了する。
しかし、それは傍観者としての感想にすぎない。
もしも、物語の登場人物たちに”意思”があるとしたら、
彼らにとって、物語を生み出した我々は神の存在なのだろうか？
――我らの世界に変革を。
――神々の地に制裁を。
「Re:CREATORS」
誰もが皆、≪創造主（クリエイター）≫になる。
公式サイト引用：STORY | Re:CREATORS（レクリエイターズ）
ストーリー：異世界人召喚系。ただしやってくるのは二次元キャラ
序盤：二次元キャラの出現と混乱
ある日の夜、高校二年生の水篠・爽太（みずしのそうた）がタブレットで人気アニメの最新話を視聴していると、突然そのアニメ世界に入ってしまいます。
そこではそのアニメのヒロイン、セレジア・ユピティリアと軍服の姫君・アルタイルが戦闘をしている真っ最中でした。
ふたたび現実世界に戻ってきたと思ったら、今度はセレジアがこちらの世界に！！
元の世界に戻る方法を探すというセレジアと分かれ一夜の不思議な体験として元の生活に終わるかと思いきや、学校から帰宅したら自室にセレジアがいていったいどうなっちゃうの！？
という展開。
よくあると言えばよくある異世界人召喚系のアニメなんだけど、彼らの異世界は私たちの世界のクリエイターたちが描く世界ととつながっていて、この世界で作り上げられた物語は彼らの世界に強く影響するという設定があります。
いわばこの世界のクリエイターは彼らにとっての神に等しい存在です。
それぞれの世界で懸命に生きる作品世界のキャラクターたちはやはり納得がいかないこともあるし、逆に創造主の力で自分たちの世界をより良くして欲しいと願います。
さて、この世界に呼び出されたキャラクターたちは正しく元の世界に戻り自分たちの力でがんばろうと尽力するセレジア陣営と、創造主の力で自分たちの世界を救ってもらうアルタイル陣営に分かれて争いとなる訳でした。
中盤：軍服の姫君アルタイルの正体を探れ！
自分たちの願いのために神の世界（現実の）を壊すこともいとわないアルタイル陣営。
二次元キャラが現実世界に表出する現象を引き起こしているアルタイルのモチーフとなった作品・作者が分かれば、彼女が真にやりたいことも見つかるのでは？
アルタイルの元ネタ、クリエイターを探しつつ、セレジア陣営は彼女たちの行いや新たに出現する二次元キャラの保護などの対応を日本政府の後ろ盾の元やっていきます。
でも、水篠颯太はアルタイルのことを知っている様子・・・？
じつはアルタイルは颯太の友だちであるシマザキセツナが死ぬ直前、ニコニコ動画に投稿した最後の作品の二次創作キャラクターでした。
本来ならただの二次創作に終わるはずだったアルタイルはニコ動にシマザキセツナがアップロードした作品をもとに爆発的な人気を得ます。
触発されたアマチュアのクリエイターがアルタイルにまつわる動画やイラストを投稿しまくるほどに。
かくしてアルタイルはニコニコ動画のなかで承認力という市民権を得、この世界に具現化します。
ただしアルタイルを生み出したクリエイター・シマザキセツナはすでに死んでおり、しかもその死因は自殺。
セツナの急激な人気上昇を恨んだネット民たちの卑劣な誹謗中傷に傷ついたからでした。
颯太はシマザキセツナの唯一と言っていい絵師仲間で友だちでしたが、彼もまたセツナの才能と人気に嫉妬しており、セツナの状況を知ってはいましたが複雑な心境から連絡も断っていて・・・。
シマザキセツナの死後、彼女の身内から自殺を聞いた颯太は自身の行動と感情に強い後悔を抱いており、今回の事件においてアルタイルのことを知りつつもなかなか言い出せずにいたんですね。
この辺の颯太の心情と彼に対する大人クリエイターたちの反応はとても共感できて、どっちの気持ちも分かり悲しい気持ちになります。
アルタイルの正体が分かったところで作中での二次元キャラ出現事件について次のような仮説が立てられました。
- 出現したキャラクターはアルタイルの、シマザキセツナがよく知る作品のキャラ
- 現実世界に出現するのは承認力が高い（人気が高い）キャラクター
- 二次元キャラは作品内での能力をそのまま持ち越している
- キャラの能力はファンに認められれば新たに追加・削除可能
そしてアルタイルの目的は自分の創造主・シマザキセツナを失意の内に殺してしまった現実世界を破壊してしまうことなのでした。
終盤：クロスオーバーアニメイベントのなかでアルタイルを倒せ！
さてさて、アルタイルの正体と目的が分かりました。
アルタイルはその性質上、ニコニコ動画に作品が投稿され、それがファンに認められれば無限に能力が追加されていきます。
そんな彼女に打ち勝つために考え出されたのが、日本政府主導で開催される一大アニメイベント「エリミネーション・チャンバー・フェス」でした。
エリミネーション・チャンバー・フェスは日本中のアニメやラノベファンたちを集め、各作品のクロスオーバーアニメを上映するイベント。
エリチャのなかでセレジアたちの能力を一時的に高めたり限定能力を付与してアルタイルに立ち向かう環境を作り、そしてアルタイルをクロスオーバー作品内に組み込むことで倒してしまおうと考えたのです。
エリミネーション・チャンバー・フェスで披露するクロスオーバーアニメの制作過程では実際に作品を作ったり、投稿したりしているクリエイターたちの熱意や苦悩などさまざまな思いが描かれますので必見です。
また作中劇の構成はアニメやマンガ、ラノベなどがお好きな方なら「あ、こういう展開アツいよね！」というシナリオになっていますよ。
ギャルゲーのキャラがファンディスクでなぜか格闘してるとかあるあるじゃない？ 本編じゃない番外編だからこそのメタギャグとかも面白いですよねー。
さて、いったんはアルタイルを消滅寸前まで追い詰めるものの、作品設定の隙きをついて復活。
味方内で一番の火力を持つセレジアやロボットたちも戦えない状況になり、絶体絶命のピンチに陥ってしまいます。
そこでデウス・エクス・マキナ的に投入したのが颯太が今回のために考案し、作り上げたキャラクター、”シマザキセツナ”でした。
しかし”シマザキセツナ”の投入、つまり現実世界への具現化には視聴者たちの承認力（設定や展開が視聴者から面白いと思われること）が必要です。
番外編ともいえるエリミネーション・チャンバー・フェスのクロスオーバーアニメにて伏線として語られてはいましたが、なかなか視聴者たちの承認を得られません。
薄くいまにも消えてしまいそうな”シマザキセツナ”。
颯太はエリミネーション・チャンバー・フェスを見に来ていた敵・築城院まがねの力を借りてみごと具現化に成功させます。
さんざん颯太を始めセレジアやアルタイルたちまでも引っ掻き回していたトリックスターのまがねがその能力を使い、この時ばかりは味方になる展開はありがちだけどやはり燃えます。
はたしてアルタイルは創造主シマザキセツナを模したキャラクター”シマザキセツナ”と語り合い、セツナの思いを聞きます。
アルタイルも戸惑い、卑怯だと叫ぶもセツナ本人とも言える”シマザキセツナ”に次第に心を打ち明け・・・、やがて”シマザキセツナ”を認めたアルタイルは彼女を連れて新世界へ旅立つのでした。
まとめ
レクリエイターという作品はアニメやマンガ、ラノベといった作品を創作者や視聴者の視点からメタ的にアニメ化した良作でした。
漫画家とその歩みをテーマにした「バクマン。」に通じるものがあり、アニメーターの方たちのさまざまな感情がよく演出されています。
オタク作品に限らず創作活動をし、ネットや展示会など他人の評価に晒される機会を持ったことがある方なら思わず頷いてしまうシーンがあるのでは。
単純にアニメ作品単体としても全体の構成や展開に「あ、こういうのあるある！」というシーンが盛り込まれており、なおかつそれを最大限に活かした形で入れ込んであるので本当に胸が熱くなります。
興味のある方は見て損ないと思いますので、ぜひ機会を見つけて視聴して欲しい作品です。
12/27にDVD/BD7巻発売されました！
12/27（水）に発売されたDVD/BD第7巻は17～19話を収録しています。ちょうどエリミネーション・チャンバー・フェスが開催されるところですね
完全生産限定版には特典として、
- ◆原作・広江礼威 描き下ろしデジジャケット
- ◆特典DVD “Re:CREATORS 続・サマー特番 ~夏だ! 浴衣だ!! 女子会だ!!!~"
- ◆雑誌"Anitype"※
- ▼特典映像（"ディレクターズカット版"）
も付いてきます。
※劇中に登場する雑誌"Anitype"を模した特製ブックレット、キャラクターデザイン・牧野竜一 描き下ろし表紙、スタッフインタビューやキャストインタビューなど全40Pの大ボリューム
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